小惑星リュウグウ試料中の黒い固体有機物

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)では小惑星リュウグウ試料分析を、6つのサブチームからなる「はやぶさ2初期分析チーム」および、2つの「Phase-2キュレーション機関」にて進めています。

この度「はやぶさ2初期分析チーム」のうち「固体有機物分析チーム」の研究成果をまとめた論文が、アメリカの科学誌「Science」に2023年2月24日付(日本時間)で掲載されましたのでお知らせします。

タイトル:小惑星リュウグウ試料中の黒い固体有機物
原題: Macromolecular organic matter in samples of the asteroid (162173) Ryugu
掲載誌: Science
DOI: 10.1126/science.abn9057

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小惑星リュウグウの石から太陽系最初期にできた可能性のある物質を発見─原始太陽系星雲内側で形成し、太陽から遠いリュウグウ母天体まで運ばれたか─

小惑星探査機「はやぶさ2」が地球に持ち帰った近地球軌道小惑星リュウグウの試料にコンドリュール様物質とCAIが含まれていることが「初期分析チーム」の一つである「石の物質分析チーム」の研究(https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20220926-12281.html)から明らかになっています。
本研究はコンドリュール様物質とCAIの詳細な化学組成分析と酸素同位体比分析を行いました。

コンドリュール様物質はカンラン石に富む初生コンドリュールと考えられている物質と鉱物学的に類似しており、太陽近傍で形成したものと現在の小惑星帯領域で形成したものに分けられることが分かりました。
CAIは、太陽系最古のCAIと同じくらい古く、太陽近傍で形成したと考えられます。コンドリュール様物質とCAIは共に直径30µm以下と小さいことから、原始太陽系星雲内側領域で形成したこれらの固体粒子のなかでも特に小さいものが選択的に太陽から遠く離れたリュウグウ母天体集積領域まで運ばれたと考えられます。
コンドリュール様物質やCAIのような固体粒子がどのようにして太陽系遠方まで運ばれたのか、未だ明確な答えは出ていません。
これを明らかにすべく、リュウグウ試料中のコンドリュール様物質とCAIの分析を更に進めます。

本研究成果は、英国ネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)発刊の国際学術雑誌 Nature Communicationsに、2023年2月16日(木)19時(日本時間)のオンライン版で公開されました。また、本成果は同誌の天文学・惑星科学分野でのfeatured articleに選出されました。

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日焼けで隠された水に富む小惑星リュウグウの素顔

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)では小惑星リュウグウ試料分析を、6つのサブチームからなる「はやぶさ2初期分析チーム」および、2つの「Phase-2キュレーション機関」にて進めています。

この度「はやぶさ2初期分析チーム」のうち「砂の物質分析チーム」の研究成果をまとめた論文が、イギリスの科学誌「Nature Astronomy」に2022年12月20日付(日本時間)で掲載されましたのでお知らせします。

タイトル:日焼けで隠された水に富む小惑星リュウグウの素顔
原題:A dehydrated space-weathered skin cloaking the hydrated interior of Ryugu
掲載誌:Nature Astronomy
DOI:10.1038/s41550-022-01841-6

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小惑星リュウグウ試料の希ガスおよび窒素同位体組成―リュウグウ揮発性物質の起源と表層物質進化―

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)では小惑星リュウグウ試料分析を、6つのサブチームからなる「はやぶさ2初期分析チーム」および、2つの「Phase-2キュレーション機関」にて進めています。

この度「はやぶさ2初期分析チーム」のうち「揮発性成分分析チーム」の研究成果をまとめた論文が、アメリカの科学誌「Science」に2022年10月21日付(日本時間)で掲載されましたのでお知らせします。

タイトル: 小惑星リュウグウ試料の希ガスおよび窒素同位体組成 ―リュウグウ揮発性成分の起源と表層物質進化―
原題: Noble gases and nitrogen in samples of asteroid Ryugu record its volatile sources and recent surface evolution
掲載誌: Science
DOI: 10.1126/science.abo0431

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「はやぶさ2」ミッションによる世界初の小惑星からのガスサンプル:リュウグウからのたまて箱

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)では小惑星リュウグウ試料分析を、6つのサブチームからなる「はやぶさ2初期分析チーム」および、2つの「Phase-2キュレーション機関」にて進めています。

この度「はやぶさ2初期分析チーム」のうち「揮発性成分分析チーム」の研究成果をまとめた論文が、アメリカの科学誌「Science Advances」に2022年10月21日付(日本時間)で掲載されましたのでお知らせします。

タイトル: 「はやぶさ2」ミッションによる世界初の小惑星からのガスサンプル:リュウグウからのたまて箱
原題: First asteroid gas sample delivered by the Hayabusa2 mission: A treasure box from Ryugu
掲載誌: Science Advances
DOI: 10.1126/sciadv.abo7239

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炭素質小惑星リュウグウの形成と進化:リターンサンプルから得た証拠

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)では小惑星リュウグウ試料分析を、6つのサブチームからなる「はやぶさ2初期分析チーム」および、2つの「Phase-2キュレーション機関」にて進めています。

この度「はやぶさ2初期分析チーム」のうち「石の物質分析チーム」の研究成果をまとめた論文が、アメリカの科学誌「Science」に2022年9月23日付(日本時間)で掲載されましたのでお知らせします。

タイトル: 炭素質小惑星リュウグウの形成と進化:リターンサンプルから得た証拠
原題: Formation and evolution of carbonaceous asteroid Ryugu: Direct evidence from returned samples
掲載誌: Science
DOI: 10.1126/science.abn8671

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約19億年前の地層から未報告の微生物化石を発見初期原生代の特異な地質環境が原核生物の多様な進化を促した

「原核生物から真核生物への進化が、いつ、なぜ起こったのか」という生命進化史上最大の疑問の一つに、わずか0.01mmの化石がヒント与えてくれるかもしれません。
本専攻の笹木晃平大学院生らの研究チームは、約19億年前(=初期原生代)の微生物化石であるガンフリント微化石の調査を行い、従来の報告にはない形状をもつ、コロニー型、楕円型、細胞組織内包型、有尾型、トゲ型の5つの新型の微生物化石を発見しました。
これらはそれぞれコロニー形成、栄養備蓄、さらに運動性や栄養確保といった生存に有利な機能を発現させたものです。
さらには、詳細な形態観察や微小領域化学分析により、その一部は真核生物特有の形状である可能性が明らかになりました。
本研究により、原核生物は、真核生物の化石が地層に確認され始める約18-16億年前より前から機能を様々に多様化させ進化の”準備”を始めていた可能性が新たに示されました。

本研究の成果は、学術誌「Precambrian Research」に2022年8月19日にオンライン掲載されました。

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リュウグウはイヴナ型炭素質隕石でできている

小惑星探査機「はやぶさ2」プロジェクトチームでは小惑星リュウグウ試料分析を、6つのサブチームからなる「はやぶさ2初期分析チーム」及び、岡山大学並びに国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)高知コア研究所の2つのPhase-2キュレーション機関にて進めています。

この度「はやぶさ2初期分析チーム」のうち「化学分析チーム」の研究成果をまとめた論文が、アメリカの科学誌「Science」に2022年6月10日付で掲載されました。

タイトル:リュウグウはイヴナ型炭素質隕石でできている
原題:Samples returned from the asteroid Ryugu are similar to Ivuna-type carbonaceous meteorites
掲載誌:Science
DOI:10.1126/science.abn7850

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炭素質隕石から遺伝子の主要核酸塩基5種すべてを検出 ~地球上での生命の起源・遺伝機能の前生物的な発現に迫る~

北海道大学低温科学研究所の大場康弘准教授,海洋研究開発機構の高野淑識上席研究員,九州大学大学院理学研究院の奈良岡浩教授,本専攻の古川善博准教授らの研究グループは,最古の太陽系物質である炭素質隕石から,全ての生物のDNA・RNAに含まれる核酸塩基5種(ウラシル,シトシン,チミン,アデニン,グアニン)すべての同時検出に世界で初めて成功しました。

生命誕生前の原始地球上でどのように最初の生命が誕生したのか,という科学における究極の謎について,炭素質隕石や彗星など地球外物質によって供給された有機化合物がその材料となったという説が提唱されています。
しかし,生命の遺伝機能を担うDNAやRNAの構成成分,核酸塩基については地球外物質からの検出例が少なく,地球上での初生的な遺伝物質の分子情報や生成機構を含め複素環分子の多様性に関する基礎情報は,断片的な記載にとどまっていました。

本研究では,独自に開発した高精度な核酸塩基分析手法を駆使して,マーチソン隕石やタギッシュレイク隕石など3種の炭素質隕石から前生物的な遺伝子の候補となる核酸塩基5種すべてを含む18種類の核酸塩基類を網羅的に検出することに世界で初めて成功しました。
それら核酸塩基の種類や存在量の分析により,少なくともその一部は太陽系形成前の星間分子雲という環境で生成した可能性が示されました。
本成果によって,生命誕生前にも多様な核酸塩基類が地球上に供給されていたことが強く示唆され,始原的な分子進化における最初の遺伝機能発現の過程を読み解く鍵になると期待されています。

なお,本研究成果は,日本時間2022年4月27日(水)公開のNature Communications誌にhighlighting paperとして掲載される予定です。

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