概要

 東北大学地球科学系・地学専攻では、46億年の歴史を持つ地球や太陽系の謎を探求し、その起源、構造、進化を理解することを目指しています。21世紀は地球環境時代と呼ばれ、地球環境、資源・エネルギー、自然災害など、人類が直面するあらゆる問題・課題と地球が密接に関係しています。つまり、地球を理解することなくして我々人類の未来は築けないのです。地球の理解には、現在の地球を直接観測するだけでなく、太陽系、地球、生物を構成する「物質」を野外で観察したり、実験室で分析したりして、そこに記録されている過去の情報を読み解くことが必要です。また、そのような物質や諸現象を実験的に再現することも重要です。私たちは、惑星としての地球、変動する地球、生命を育み我々の生活の場である地球が、過去にどのような歴史・進化を辿り現在に至ったのかを理解し、どのような未来が待ち受けているのかを洞察するため、自然科学(地学・物理学・化学・生物学)を総動員し、学際的な研究を通して地球を複合的な視点から明らかにすることを目指しています。

 現在、地球科学系は13の研究グループを中心に、国内最大級の40名を超える教員陣と200名を超える学生が、最先端の研究に取り組んでいます。地球科学は、高校の地学や地理学に関連する分野ですが、これらの科目を履修していない受験生も入学後の各分野の講義を通じて、地球科学の基礎知識を学びます。2年生の後期からは、地圏環境科学科地球惑星物質科学科に分かれ、野外調査や室内実験を組み合わせた実習を通じて、専門的知識を習得します。4年生では、これまでに習得した知識や技術を結集し、卒業研究に取り組みます。卒業後は、多くの学生が大学院へ進学し、引き続き研究を突き詰めていきます。そこで、さらなる専門的知識や技量を身に着け、様々な分野・業種に就職していきます。博士課程後期では、学術機関や企業などで独立した研究を行うことができる人材を育成し、修了者には博士(理学)の学位が授与されます。また博士課程後期には、研究留学や企業との共同研究、インターンシップの機会などを提供する大学院プログラムなどが設けられており、大学院生の様々な学びに対応した環境・体制が整っています。
 未だ多くの謎を残す地球を理解するために未知の領域に挑む学生の研究とキャリアを、私たちは全力でサポートしています。