小惑星リュウグウの石から太陽系最初期にできた可能性のある物質を発見─原始太陽系星雲内側で形成し、太陽から遠いリュウグウ母天体まで運ばれたか─

小惑星探査機「はやぶさ2」が地球に持ち帰った近地球軌道小惑星リュウグウの試料にコンドリュール様物質とCAIが含まれていることが「初期分析チーム」の一つである「石の物質分析チーム」の研究(https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20220926-12281.html)から明らかになっています。
本研究はコンドリュール様物質とCAIの詳細な化学組成分析と酸素同位体比分析を行いました。

コンドリュール様物質はカンラン石に富む初生コンドリュールと考えられている物質と鉱物学的に類似しており、太陽近傍で形成したものと現在の小惑星帯領域で形成したものに分けられることが分かりました。
CAIは、太陽系最古のCAIと同じくらい古く、太陽近傍で形成したと考えられます。コンドリュール様物質とCAIは共に直径30µm以下と小さいことから、原始太陽系星雲内側領域で形成したこれらの固体粒子のなかでも特に小さいものが選択的に太陽から遠く離れたリュウグウ母天体集積領域まで運ばれたと考えられます。
コンドリュール様物質やCAIのような固体粒子がどのようにして太陽系遠方まで運ばれたのか、未だ明確な答えは出ていません。
これを明らかにすべく、リュウグウ試料中のコンドリュール様物質とCAIの分析を更に進めます。

本研究成果は、英国ネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)発刊の国際学術雑誌 Nature Communicationsに、2023年2月16日(木)19時(日本時間)のオンライン版で公開されました。また、本成果は同誌の天文学・惑星科学分野でのfeatured articleに選出されました。

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