地球惑星物質科学科 4年 大島 泰周さんが、生命の起源・アストロバイオロジー学会 第49回学術講演会 学生優秀口頭発表賞を受賞しました。
受賞者:大島 泰周(おおしま たいしゅう)
賞 名:第49回生命の起源・アストロバイオロジー学会 学術講演会 学生優秀口頭発表賞
受賞論文タイトル:リボースと核酸塩基からのヌクレオシド合成に対するホウ酸の影響
受賞日:2025年3月28日
備 考:生命の起源・アストロバイオロジー学会

地球惑星物質科学科 4年 大島 泰周さんが、生命の起源・アストロバイオロジー学会 第49回学術講演会 学生優秀口頭発表賞を受賞しました。
受賞者:大島 泰周(おおしま たいしゅう)
賞 名:第49回生命の起源・アストロバイオロジー学会 学術講演会 学生優秀口頭発表賞
受賞論文タイトル:リボースと核酸塩基からのヌクレオシド合成に対するホウ酸の影響
受賞日:2025年3月28日
備 考:生命の起源・アストロバイオロジー学会
東北大学大学院理学研究科地学専攻では、専任教員を下記の要領で公募します。つきましては関係者にご周知いただきますようお願いいたします。
募集人員 助教1名
所属講座 地学専攻地球惑星物質科学講座
募集分野 地球化学的手法で天然の鉱物や岩石の研究を行える方。特に生物学や有機化学を含めた異分野との融合的研究を行える方。地学専攻の教員と協力し研究を行える方。教育関係の諸業務・実験装置の維持管理に積極的に尽力いただける方。東北大学の全学教育に従事できる方。地学専攻が実施している博士学位プログラムや、東北大学が推進する諸事業に積極的に関わっていただける方が望ましい。
担当科目 東北大学全学教育、理学部地球科学系・地球惑星物質科学科・大学院理学研究科地学専攻の演習・実習など。
応募資格 博士の学位を有する者。学位修得後10年以内の者。
着任予定 令和7年度の出来るだけ早い時期
給与 東北大学職員就業規則に基づき、経験に応じて支給。年俸制。
勤務形態 常勤
任期 なし
提出書類 1.履歴書(写真貼付、連絡先明記のこと)
2.研究業績リスト
(1)論文(査読の有無を記すこと)
(2)著書
(3)その他
3.主要論文の別刷り各3部(コピー可)
4.在外研究歴・研究教育に関する受賞歴・外部資金獲得実績リスト
5.これまでの研究・教育実績の概要(2000字程度)
6.着任後の研究・教育に関する抱負(2000字程度)
7.照会可能な方2名の氏名と連絡先
応募締切日 令和7年5月30日(金)必着
書類送付先 〒980-8578 仙台市青葉区荒巻字青葉6-3
東北大学大学院理学研究科地学専攻 掛川武 宛
応募書類送付に際しては、封筒表面に「教員応募書類在中」と朱書し、簡易書留郵便にすること。応募書類は返却しません。また、審査において面接を行う場合、交通費は応募者の負担とします。(外国に居住中などの理由で簡易書留郵便が送れない場合は別途相談)
照会先 東北大学大学院理学研究科地学専攻、教授 掛川武
電話 022-795-6660
e-mail:takeshi.kakegawa.a4@tohoku.ac.jp
地学専攻の構成員と研究内容は、下記のURLをご参照下さい。
(URL: https://www.es.tohoku.ac.jp/JP)
なお、東北大学では、大学内での女性研究者比率向上に努めています。
(URL:https://dei.tohoku.ac.jp/wp-content/uploads/2023/02/2023_supportprogram_j_.pdf をご覧下さい)
待遇は国立大学法人東北大学職員就業規則によります。
その他:
・東北⼤学は多様性、公正性、包摂性(Diversity, Equity & Inclusion : DEI)を向上させる活動を推進しており、多様な⼈材の積極的な応募を歓迎します。
東北⼤学DEI 推進宣⾔WEB ページ
https://dei.tohoku.ac.jp/vision/about/
・雇用の分野における男⼥の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第8 条に基づき⼥性教員の在籍率を改善するための措置として、公正な評価に基づき職務に必要とされている能⼒が同等と認められる場合は、⼥性を優先的に採⽤します。
・学生および教職員が学業・研究・職務の遂⾏において、多様な性を尊重する環境を実現することを目的として、その⽅針と具体的な対応の内容を⽰した「東北⼤学-みんなが主役-多様な性に関するガイドライン」を制定しています。
ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン推進センターWEB ページ
https://dei.tohoku.ac.jp/vision/consulting/for_minority/
・東北⼤学には全学教職員が利⽤できる川内けやき保育園(定員 22 名)および⻘葉山みどり保育園(定員116 名)の他、⼤学病院所属の職員等が利⽤できる星の⼦保育園(定員120 名)があり、全国の国立⼤学の事業所内保育施設として最⼤規模の保育環境が整っています。また、⼤学病院内に軽症病児・病後児保育室もあり、全学教職員が利⽤できます。
・その他、男性教職員の育児休業等促進策も含めた本学の両立支援、研究支援等の詳細および共同参画の取組については、下記URL をご覧ください。
ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン推進センターWEB ページ
https://dei.tohoku.ac.jp/vision/consulting/for_family/
人事企画部WEB ページ
https://c.bureau.tohoku.ac.jp/jinji-top/external/a-4-kosodate/
For foreign applicants:
Please contact to Prof. Takeshi Kakegawa (takeshi.kakegawa.a4@tohoku.ac.jp) if you wish to apply this position well before the dead line. He will provide you instructions (scientific requirements of this position, teaching duties (in Japanese), etc.).
名古屋大学大学院理学研究科の松尾 太郎 准教授、三輪 久美子 特任助教らの研究グループは、京都大学、東北大学、東京科学大学、龍谷大学との共同研究で、地球と光合成生物のやり取り(共進化)を通して見えてきた、シアノバクテリアの光アンテナの初期進化とそれを牽引した「緑の海仮説」を提唱しました。
シアノバクテリアは地球における生命の多様化と地球表層の酸化の起点となった重要な光合成生物であるものの、シアノバクテリアがクロロフィルの吸収する青や赤と相補的な緑の光を利用して繁栄してきた理由は分かっていませんでした。緑の光を光合成に利用するには、緑の光を吸収し、その光エネルギーをクロロフィルに渡す仕組みを獲得するとともに、その仕組みが優位に働く環境が必要であったはずだからです。
ここで本研究グループは、シアノバクテリアが誕生した太古代における水中の光環境に着目しました。太古代の貧酸素の水に溶け込んでいる二価の鉄が光合成によって発生した酸素によって酸化され、紫外線から青の光を吸収した結果、水中は緑の光であふれていたことが分かりました。生物実験および分子系統樹解析によって、シアノバクテリアが太古の緑の光環境で繁栄した可能性が明らかになりました。
光合成生物の活動によって生まれた緑の海は、紫外線を効率的に遮へいすることで生命を育む現場になったと同時に、遠くの惑星の生命の存在の指標にもなるかもしれません。
本研究成果は、2025年2月18日(日本時間)付科学雑誌『Nature Ecology & Evolution』に掲載されました。
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名古屋大学大学院環境学研究科の植村 立 准教授、Syed Azharuddin研究員らの研究グループは、当専攻の浅海 竜司 准教授、国立台湾大学との共同研究により、約7千年前の連続する大規模火山噴火イベントの後に数十年間にわたる寒冷化が起こっていたことを明らかにしました。
研究チームは、過去の火山噴火と気候変動の関係を解明するため、沖縄県南大東島の鍾乳石を分析しました。鍾乳石には、過去の降水が微量の液体のまま保存されています。独自の分析手法により、当時の降水の同位体を測定し、気温や降水量を復元しました。その結果、連続する大規模火山噴火の後、数十年スケールで気温が約2℃低下したことが確認されました。
本研究は、現在の気象現象でも議論が続く数十年規模の気候変動のメカニズムを解明し、火山活動と気候変動の関係を定量的に理解するための重要な手がかりとなります。
本研究成果は2025年2月12日(日本時間)付の国際科学雑誌『Communications Earth & Environment』に掲載されました。
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【発表のポイント】
【概要】
北海道大学低温科学研究所の大場康弘准教授、海洋研究開発機構の高野淑識上席研究員(慶應義塾大学先端生命科学研究所特任准教授/同大学院政策・メディア研究科特任准教授)及び古賀俊貴ポストドクトラル研究員、東北大学大学院理学研究科の古川善博准教授、九州大学大学院理学研究院の奈良岡浩教授らが所属する国際研究グループ(OSIRIS-REx sample analysis team)は、アメリカNASA主導の小惑星探査計画「OSIRIS-REx」で炭素質B型小惑星(101955)ベヌー(Bennu)から持ち帰られた粒子から、アミノ酸や核酸塩基、カルボン酸、アミンなど、様々な有機化合物の検出に成功しました。
2023年9月24日、「OSIRIS-REx」探査機によって炭素質小惑星ベヌー試料121.6グラムが地球に届けられ、「はやぶさ」探査機によるS型小惑星イトカワ試料、「はやぶさ2」探査機による炭素質C型小惑星リュウグウ試料に続いて、世界で3例目の小惑星リターンサンプルが実験室で分析可能になりました。NASAゴダード宇宙飛行センターのダニエル・グレイビン博士をリーダーとする有機化合物分析チーム(SOAWG)では、持ち帰られた粒子に含まれる有機化合物を網羅的に分析しました。
分析チームがこれまでに培ってきた地球外試料分析技術を用いて、初期分析用に配分された約300ミリグラムの試料から、アミノ酸33種(うち、14種のタンパク性アミノ酸)、地球生命の遺伝子に含まれる核酸塩基全5種を含む窒素複素環化合物*123種など、未同定なものを含めて10,000種にも及ぶ窒素を含む有機化合物を検出しました。検出されたアミノ酸は右手・左手構造がほぼ等量存在しました。これらの結果は、小惑星が地球に多様なアミノ酸を供給したことを示唆し、地球生命のアミノ酸のホモキラリティの起源の謎をさらに深めることになりました。また、アミノ酸や核酸塩基など生体関連分子合成の材料となるアンモニアの濃度が、これまでに分析された炭素質隕石や小惑星リュウグウと比べて特異的に高いことが分かりました。これは、検出された有機化合物は低温環境におけるアンモニア溶液中での反応で生成した、というこれまでにない地球外有機物合成に関する知見をもたらしました。
なお、本研究成果は、2025年1月30日(木)公開のNature Astronomy誌に掲載されました。
東北大学大学院理学研究科地学専攻では、2025年8月実施予定の大学院博士課程前期2年の課程一般選抜試験(2026年4月入学)から、外国語科目(英語)の評価として、国際的な英語学力テストであるTOEFL® Test、TOEIC®、IELTS™のいずれかのテストのスコアを利用することとしました。また、自己推薦入学試験においても学力評価の参考となる資料として、上記のいずれかのテストのスコア提出を求めることとしました。
2025年度以降に、本研究科地学専攻博士課程前期2年の課程の受験を考えている方は、下記の「理学研究科大学院入学試験(地学専攻・博士課程前期2年の課程)における TOEFL®Test、TOEIC®、IELTS™の利用について」に記載されて いる事項をよく読んで準備を進めてください。
「理学研究科大学院入学試験(地学専攻・博士課程前期2年の課程)における TOEFL®Test、TOEIC®、IELTS™の利用について」を参照してください。
地形は、地震に伴う地殻変動や雨・風・波による侵食・堆積などの影響を受け、非常に長い時間をかけて形作られます。私たち人間が地形の劇的な変化を目にすることは稀ですが、2024年元日に発生した能登半島地震では、隆起に伴う海底の陸化など、顕著な地形の変化がありました。
東北大学、東京都立大学、大分大学、ドイツ地球科学研究センターの研究チームは、衛星レーダ画像解析と野外調査の統合により、今回の能登半島地震による地形変化の詳細を明らかにしました。その結果、現在の能登半島の地形的特徴は、今回と同様のタイプの地震の繰り返しにより説明できることがわかりました。本成果は、大地震が地形形成に果たす重要な役割を鮮やかに示すものです。
本成果は、2024年12月4日午後2時(アメリカ東部時間。日本時間12月5日午前4時)に科学誌Science Advances誌に掲載されました。
詳細はこちら。
当専攻 博士課程後期1年 都丸 大河さんが、2024年度地球環境史学会年会 優秀発表賞を受賞しました。
受賞者:都丸大河(とまる たいが)
賞 名:2024年度地球環境史学会年会 優秀発表賞
受賞論文タイトル:北西パンサラッサ海域における白亜紀前期の炭素同位体比変動
受賞日:2024年11月30日
備 考:地球環境史学会
京都大学白眉センターの松本特定助教らは日本の探査機「はやぶさ2」が回収した小惑星リュウグウの砂つぶから、微小な塩の結晶を発見しました。これらはリュウグウの母体となる天体を満たした塩水が蒸発や凍結によって失われた時に析出した鉱物です。同じく塩類が見つかっているエンセラダスなどの海洋天体とリュウグウの水の環境とを比較する研究につながります。
本成果は、2024年11月19日(日本時間)付で国際科学誌「Nature Astronomy」に掲載されました。
研究グループは松本徹特定助教(京都大), 野口高教授(京都大),三宅亮教授(京都大), 伊神洋平助教(京都大), 松本恵助教(東北大), 矢田達主任研究開発員(JAXA), 上椙真之主幹研究員(JASRI), 安武正展研究員(JASRI), 上杉健太朗主席研究員(JASRI), 竹内晃久主幹研究員(JASRI), 湯澤勇人技術職員(IMS), 大東琢治准教授(KEK), 荒木暢主任研究員(IMS)で構成されています。
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白亜紀前期、地球規模の急激な温暖化の進行と海洋における無酸素水塊の拡大により、海洋生物の多くが絶滅しました。海洋無酸素事変(Oceanic Anoxic Event 1a、以下、OAE1a)と呼ばれるこの大事変についてはヨーロッパや大西洋周辺地域の地層で盛んに研究されてきました。しかし、OAE1aが生起し持続した正確な年代は不明でした。
当専攻の髙嶋礼詩教授、米国ウィスコンシン大学のBradley S. Singer教授らの研究グループは、OAE1aの詳細な年代を明らかにしました。研究グループは、北海道芦別市の芦別岳北西に露出する地層(蝦夷層群)からOAE1a時期に堆積した地層を見出し、そこに数多くの火山灰層が挟まることを発見しました。これらの火山灰層からジルコンを抽出し、U-Pb放射年代測定法で年代を測定した結果、OAE1aは1億1955万年前に発生し、その後111.6万年間、海洋の広い範囲で無酸素環境が持続したことが判明しました。また、蝦夷層群のOAE1aの地層の最上部から、年代の対比に有効な示準化石である浮遊性有孔虫化石を発見しました。この化石種は、白亜紀最大の海底火山体である「オントンジャワ海台」の上に重なる石灰岩からも報告されていることから、オントンジャワ海台の噴火とOAE1aの発生がほぼ同時であることが明らかになりました。今回、年代測定と同時に行った蝦夷層群のオスミウム同位体比の検討からも、OAE1aの開始時に大規模な火成活動の影響が示唆されることから、オントンジャワ海台の噴火がOAE1aを引き起こしたことが実証されました。
本成果は2024年11月21日日本時間4時に、学術誌Science Advancesに掲載されました。
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