「はやぶさ2」ミッションによる世界初の小惑星からのガスサンプル:リュウグウからのたまて箱

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)では小惑星リュウグウ試料分析を、6つのサブチームからなる「はやぶさ2初期分析チーム」および、2つの「Phase-2キュレーション機関」にて進めています。

この度「はやぶさ2初期分析チーム」のうち「揮発性成分分析チーム」の研究成果をまとめた論文が、アメリカの科学誌「Science Advances」に2022年10月21日付(日本時間)で掲載されましたのでお知らせします。

タイトル: 「はやぶさ2」ミッションによる世界初の小惑星からのガスサンプル:リュウグウからのたまて箱
原題: First asteroid gas sample delivered by the Hayabusa2 mission: A treasure box from Ryugu
掲載誌: Science Advances
DOI: 10.1126/sciadv.abo7239

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炭素質小惑星リュウグウの形成と進化:リターンサンプルから得た証拠

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)では小惑星リュウグウ試料分析を、6つのサブチームからなる「はやぶさ2初期分析チーム」および、2つの「Phase-2キュレーション機関」にて進めています。

この度「はやぶさ2初期分析チーム」のうち「石の物質分析チーム」の研究成果をまとめた論文が、アメリカの科学誌「Science」に2022年9月23日付(日本時間)で掲載されましたのでお知らせします。

タイトル: 炭素質小惑星リュウグウの形成と進化:リターンサンプルから得た証拠
原題: Formation and evolution of carbonaceous asteroid Ryugu: Direct evidence from returned samples
掲載誌: Science
DOI: 10.1126/science.abn8671

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約19億年前の地層から未報告の微生物化石を発見初期原生代の特異な地質環境が原核生物の多様な進化を促した

「原核生物から真核生物への進化が、いつ、なぜ起こったのか」という生命進化史上最大の疑問の一つに、わずか0.01mmの化石がヒント与えてくれるかもしれません。
本専攻の笹木晃平大学院生らの研究チームは、約19億年前(=初期原生代)の微生物化石であるガンフリント微化石の調査を行い、従来の報告にはない形状をもつ、コロニー型、楕円型、細胞組織内包型、有尾型、トゲ型の5つの新型の微生物化石を発見しました。
これらはそれぞれコロニー形成、栄養備蓄、さらに運動性や栄養確保といった生存に有利な機能を発現させたものです。
さらには、詳細な形態観察や微小領域化学分析により、その一部は真核生物特有の形状である可能性が明らかになりました。
本研究により、原核生物は、真核生物の化石が地層に確認され始める約18-16億年前より前から機能を様々に多様化させ進化の”準備”を始めていた可能性が新たに示されました。

本研究の成果は、学術誌「Precambrian Research」に2022年8月19日にオンライン掲載されました。

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リュウグウはイヴナ型炭素質隕石でできている

小惑星探査機「はやぶさ2」プロジェクトチームでは小惑星リュウグウ試料分析を、6つのサブチームからなる「はやぶさ2初期分析チーム」及び、岡山大学並びに国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)高知コア研究所の2つのPhase-2キュレーション機関にて進めています。

この度「はやぶさ2初期分析チーム」のうち「化学分析チーム」の研究成果をまとめた論文が、アメリカの科学誌「Science」に2022年6月10日付で掲載されました。

タイトル:リュウグウはイヴナ型炭素質隕石でできている
原題:Samples returned from the asteroid Ryugu are similar to Ivuna-type carbonaceous meteorites
掲載誌:Science
DOI:10.1126/science.abn7850

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炭素質隕石から遺伝子の主要核酸塩基5種すべてを検出 ~地球上での生命の起源・遺伝機能の前生物的な発現に迫る~

北海道大学低温科学研究所の大場康弘准教授,海洋研究開発機構の高野淑識上席研究員,九州大学大学院理学研究院の奈良岡浩教授,本専攻の古川善博准教授らの研究グループは,最古の太陽系物質である炭素質隕石から,全ての生物のDNA・RNAに含まれる核酸塩基5種(ウラシル,シトシン,チミン,アデニン,グアニン)すべての同時検出に世界で初めて成功しました。

生命誕生前の原始地球上でどのように最初の生命が誕生したのか,という科学における究極の謎について,炭素質隕石や彗星など地球外物質によって供給された有機化合物がその材料となったという説が提唱されています。
しかし,生命の遺伝機能を担うDNAやRNAの構成成分,核酸塩基については地球外物質からの検出例が少なく,地球上での初生的な遺伝物質の分子情報や生成機構を含め複素環分子の多様性に関する基礎情報は,断片的な記載にとどまっていました。

本研究では,独自に開発した高精度な核酸塩基分析手法を駆使して,マーチソン隕石やタギッシュレイク隕石など3種の炭素質隕石から前生物的な遺伝子の候補となる核酸塩基5種すべてを含む18種類の核酸塩基類を網羅的に検出することに世界で初めて成功しました。
それら核酸塩基の種類や存在量の分析により,少なくともその一部は太陽系形成前の星間分子雲という環境で生成した可能性が示されました。
本成果によって,生命誕生前にも多様な核酸塩基類が地球上に供給されていたことが強く示唆され,始原的な分子進化における最初の遺伝機能発現の過程を読み解く鍵になると期待されています。

なお,本研究成果は,日本時間2022年4月27日(水)公開のNature Communications誌にhighlighting paperとして掲載される予定です。

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三陸海岸北部において1611年慶長奥州地震津波の物的証拠を発見 ―日本海溝沿いで発生する巨大津波の頻度に関する新たな知見―

津波堆積物は、過去に発生した津波の頻度や規模を推定する手段として活用されています。
しかし、地層は連続的に堆積しているとは限らず、津波堆積物を含む一部の時代の地層が欠落し、津波の痕跡を見落としている可能性もあります。
そこで今回、東北大学災害科学国際研究所の石澤尭史助教らの研究グループは、「津波堆積物を含む地層について、垂直方向に連続してミリ間隔の高密度で年代測定を行い、対象期間に関して年代的に地層の欠損がないことを確認する」手法を開発しました。
さらに、三陸海岸北部(岩手県野田村)において、巨大津波でしか浸水しない内陸の地層を取り出し、本手法を適用することにより、三陸海岸の広域に被害を及ぼした巨大津波の履歴を復元しました。
その結果、三陸地域における1611年の慶長奥州津波は、2011年の東北沖津波や1896年の明治三陸津波と同規模の巨大津波であったことが示されました。
また、従来、1454年の享徳津波が三陸海岸を襲った可能性が指摘されていましたが、今回の研究から三陸海岸北部に享徳津波は襲来しなかったことが明らかになりました。
日本海溝沿いで発生する巨大地震津波の頻度は約500年間隔(2011年東北沖津波、1454年享徳津波、869年貞観津波)とする説もありましたが、本研究からその発生頻度は不規則であることが明らかになりました(2011年東北沖津波、1611年慶長津波、869年貞観津波)。
さらに1896年の明治三陸津波のような津波地震)由来の巨大津波も考慮すると、三陸海岸では過去400年間に特に高頻度で巨大津波が発生していることも示されました。

本研究成果は、2022年2月2日にQuaternary Science Reviews誌に掲載されました。

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火山活動による地球寒冷化が恐竜の繁栄を導いた? 三畳紀末の大量絶滅の実態を解明

5大大量絶滅の4回目にあたる約2億年前の三畳紀末の大量絶滅を境に、それまで繁栄していたワニの先祖の大型爬虫類が絶滅し、恐竜の多様化が始まりました。
それまで小さく地味だった三畳紀の恐竜は三畳紀末の大量絶滅以後に急速に大型化して、ジュラ紀以降の繁栄につながりました。

この大量絶滅の原因は、超大陸パンゲアの分裂を引き起こした大規模火山活動であると考えられていました。
しかし、火山活動がどのように環境変動を引き起こしたかは不明でした。

本専攻の海保邦夫教授(現:東北大学名誉教授)らの研究グループは、堆積岩の加熱実験を行い、比較的低い温度では二酸化硫黄が、高い温度では二酸化炭素がより多く放出されることを明らかにしました。
さらに、大量絶滅を記録した地層から発見した加熱温度に制御されて生成する堆積有機分子の種類の変化から、火山活動が低温から高温へ移行したと推定しました。以上の結果から、三畳紀末の大量絶滅は次のプロセスで起きたことを提唱しました:

● 大規模火山活動のマグマが、比較的低温で堆積岩を加熱した結果、大量の二酸化硫黄が生成された。
● 二酸化硫黄が成層圏に入り、硫酸エアロゾルを形成した。
● 硫酸エアロゾルが太陽光を反射し、光合成阻害や地球寒冷化などにより生物の大量絶滅が起こった。

本研究の成果は、国際誌 「Earth and Planetary Science Letters」に掲載されるのに先立ち、1月12日付電子版に掲載されました。
編集者により重要と判断され、特別早く出版されることになりました。

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マントル深部条件下においてマントル構成鉱物の相転移境界を超高精度で決定 ~沈み込み帯における上部・下部マントル境界の陥没の原因を解明~

ドイツ連邦共和国バイロイト大学バイエルン地球科学研究所のArtem Chanyshev研究員・桂智男教授・Dmitry Bondar大学院生・Eun Jeong Kim研究員・西田圭佑研究員・Zhaodong Liu研究員・Ling Wang研究員、中華人民共和国北京高圧科学研究中心の石井貴之主任研究員・Bingmin Yan技官・Hu Tang大学院生・Zhen Chen大学院生、高輝度光科学研究センター回折・散乱推進室の丹下慶範・肥後祐司主幹研究員、ドイツ電子放射光施設のRobert Farla主任研究員・Shrikant Bhat主任研究員、本専攻中嶋彩乃大学院生らからなる国際共同研究チームは、大型放射光施設SPring-8とドイツ電子放射光施設の放射光X線を利用した高温高圧下その場観察実験により上部・下部マントル境界条件で、秋本石-ブリッジマン石転移及びリングウッド石からブリッジマン石+ペリクレースへの分解反応の相境界を精密に決定しました。
上部・下部マントル境界は通常の地域では深さ660 kmに位置しますが、周囲と比較して低温であるプレートの沈み込み帯下では大きく陥没しています。
上部・下部マントル境界は、リングウッド石の分解によって引き起こされると考えられています。
その為、沈み込み帯下の境界の陥没は、比較的低温であるために起きるこの分解反応深度の上昇によると考えられてきました。
しかし、リングウッド石の分解反応深度にはほとんど温度依存性がなく、実際の陥没を説明できるような深度変化が期待できません。
本研究では、リングウッド石分解反応とは対称的に、秋本石-ブリッジマン石の転移圧力が低温において大きな負の温度依存性を持つことが示されました。
これにより、沈み込み帯下における上部・下部マントル境界の陥没は秋本石-ブリッジマン石転移によって引き起こされることが明らかになりました。

本研究成果は、世界最高の学術雑誌、「Nature」に1月6日号に掲載されました。

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最終氷期の沖縄はどのくらい寒かったのか? 〜貝化石と鍾乳石による新しい地質考古学的手法からの復元〜

洞穴遺跡から出土した貝化石と鍾乳洞の鍾乳石(石筍)を用いた新しい地質考古学的手法を構築し、最終氷期における沖縄の気温を季節レベルの高時間分解能で復元することに成功しました。
そのデータを解析した結果、沖縄は23,000年前の最終氷期では現在と比べて6〜7℃低く、16,000〜13,000年前では現在と比べて4〜5℃低かったことが示されました。
最終氷期の気温低下は海水の温度低下より2倍も大きかったと見積もられ、氷期〜間氷期にかけての海洋と大気の温度変化が異なることを示しています。
琉球列島における氷期の気温を季節レベルで推定した試みは初めてであり、遺跡の遺物と鍾乳石の組み合わせによる新しい古気温推定法は、地球科学と考古学の文理融合研究に広く適用できる点で重要であると考えられます。

本研究成果は、「Scientific Reports」の2021年11月9日19時(日本時間)に掲載されました。

本研究は、本専攻の浅海竜司准教授、本堂陸斗学士、高柳栄子助教、井龍康文教授、名古屋大学大学院環境学研究科の植村立准教授、国立科学博物館の藤田祐樹研究員、沖縄県立博物館・美術館の山崎真治主任学芸員、国立台湾大学のC.-C. Shen教授、C.-C. Wu研究員、チューリッヒ工科大学のX. Jiang研究員、総合地球環境学研究所および琉球大学理学部の新城竜一教授、東京大学大学院理学研究科の狩野彰宏教授の共同研究チームによる成果です。

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