東京大学大学院理学系研究科の河合敬宏大学院生(研究当時)、高橋嘉夫教授、金沢大学の福士圭介教授らによる研究グループは、放射光X線を利用したX線吸収端近傍構造(XANES)を用いてC型小惑星リュウグウ中の元素の化学種を分析しました。
その結果、リュウグウ母天体中に存在した液体の水の中で、NaやClの殆どはNaClのような塩ではなく、粘土鉱物への吸着態として存在することを発見しました。
さらにこれを考慮した化学平衡計算から、リュウグウ母天体中の水質変成は、強塩基性・強還元的条件で進行したことを示しました。
こうした水環境は、アミノ酸や核酸塩基などの生体有機物の非生物的合成に有利な環境です。
またリュウグウの水環境は水素ガスに富むと示唆され、リュウグウが母天体表面の氷の下で変成を受け、リュウグウからの水の消失は主に氷の昇華によることを示唆しています。
この成果は、C型小惑星の進化や、初期地球への水の供給過程の解明に貢献することが期待されます。
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