活火山から放出される有毒な火山ガスは、火山麓での人の居住や家畜の飼育を困難にするとともに、火山性の酸性雨やスモッグが発生する原因となります。
しかし火山ガスは、軽石のような堆積物を形成しないため、過去の火山ガス活動の規模や分布範囲はほとんど未調査でした。
本専攻の中村美千彦教授らの研究チームは、浅間前掛火山東斜面の火口から数kmまでの範囲に分布する火砕流堆積物の表面が、強酸性の水溶液と火山灰が反応して形成される非晶質シリカでコーティングされていることを見出しました。
この堆積物は1783年噴火のものであり、現在までの間に、火山性の酸性雨や酸性スモッグが活発に発生した期間があると考えられます。
本研究の手法により過去の多量の火山ガスを噴出する活動期の有無や、強酸性の火山性スモッグが頻繁に到達した範囲を推定できる可能性が明らかになりました。
このようなガス放出活動の理解は、火道の構造や、マグマ溜りの脱ガス状態の解明にも役立ちます。
本研究の成果は、2020年12月8日Journal of Volcanology and Geothermal Research誌電子版に掲載されました。
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