フランス菓子ミルフィーユのような層状構造をもつ地層では、圧縮を受けると褶曲(しゅうきょく)と呼ばれるしわが形成されます。中でも局所的に折れ曲がる、キンクと呼ばれる構造が現れることがあります。近年、材料科学の分野では、層状構造を持つ材料が変形する過程で、キンク強化と呼ばれる現象が生じることが報告されています。これは、キンクが形成されることで材料の強度が上昇する現象です。しかしながら、地質学の分野ではこれまでキンクの形成と強度に関して一貫した知見は得られておらず、キンクが形成されると地殻の強度は低下するという逆の考え方もありました。
本専攻の長濱 裕幸 教授、武藤 潤 教授、横山 裕晃 大学院生、大船 十夢 学部生(研究当時)をはじめとする研究グループは、実験を通じて、強度の上昇をもたらすキンクは、左右対称な対称傾角の形状(rank-1接続の条件)を満たすことを実証しました。自然界でもこのようなキンク構造が存在することから、地殻の強度上昇をもたらし、さらには地震の発生にも影響を及ぼしている可能性があることを示唆しています。
本成果は9月26日、オープンアクセスの科学誌Scientific Reportsに掲載されました。
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