地殻化学グループ

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氏名専門分野Link
教授辻森 樹変成岩と変成作用、プレート収束域、造山帯🔗
准教授平野 直人海洋プレートの発達過程、プチスポット火山🔗
助教後藤 章夫マグマのレオロジー、噴火現象の物理学🔗
助教宮本 毅火山形成発達史、マグマ過程の岩石学🔗
助教パストルガラン ダニエル🔗
※メールアドレスの末尾にtohoku.ac.jpを追加

固体地球の進化・経年変化とそれに関連した個々のプロセスの総合理解

・一般則を見出したい、そして体系化したい
・システマティクスを理解したい

約45.6億年間のダイナミックな固体地球の進化を経て、今の美しい自然がある。

1.プレート境界岩(変成岩)

プレートテクトニクスは固体地球の化学分別様式に多様性をもたらし、表層環境に複雑性を与えてきました。様々な時代のプレート境界岩(変成岩)と地殻・上部マントル構成岩が記録した情報(鉱物組成共生関係、元素・同位体組成、構造・組織)を直接解析し、プレート収束域の様々なプロセスの実像と時空間スケール、さらに地球史を通したそれらの変遷を読み解くことで、固体地球の巨視的な化学進化とその表層環境への影響の総合理解を目指しています。


2.海洋底・プチスポット

沈み込む海洋プレートのリソスフェア・アセノスフェア境界の実像を知ることは固体地球科学の重要なミッションです。海洋プレートが沈み込む際に屈曲してできる地形的な高まり(アウターライズ)の周辺には「プチスポット火山」とよばれる海底火山が噴出します。それらの噴出活動と玄武岩溶岩が記録した情報(岩石組織、元素・同位体組成)の解析から海洋プレートの構造、とりわけ海洋プレート基底部や、その進化過程の解明を目指しています。


3.地殻の進化

惑星「地球」の大陸地殻は太古代・古原生代の古い地殻の一部を保持し、2億年より若い海洋地殻とは化学組成と形成年代に関して極めて対照的な存在です。島弧火成活動による大陸地殻形成とその改変、プレート収束域での構造浸食によるマントルへの輸送、大陸地殻の安定化とクラトンを核とした造山帯累帯成長、クラトンの「根」の実像などに関して、花崗岩、砕屑性ジルコン、下部地殻・リソスフェアマントル捕獲岩を総合的に解析しています。


4.その他

計算機技術の進歩と数理・情報科学の進展は固体地球科学の分野にも大きな恩恵をもたらしています。我々も、プログラミング言語を用いた統計解析法・データ駆動型解析手法の開発、スペクトル解析のためのUIソフトウェア開発・改良に積極的に挑戦し、実践の研究に応用しています。さらに、先端的な分析に耐えうる前処理システム環境整備・ハードウェア開発・改良などにも取り組んでいます。また、火山噴火に関する個人研究もあります。

研究対象は造山帯表層から深海底まで多岐にわたる。
ちっぽけな存在の日々の努力で固体地球を総合理解したい。