資源・環境地球化学グループ

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氏名専門分野Link
教授掛川 武初期地球の表層環境、生命と地球の相互作用、生命起源🔗
准教授古川 善博生命の起源、アストロバイオロジー、隕石衝突、初期地球🔗 🏠
助教石田 章純初期地球の表層環境、生命と地球の相互作用、アストロバイオロジー🔗
※メールアドレスの末尾にtohoku.ac.jpを追加

生命起源、地球−生命共進化の解明に挑む

資源・環境地球化学分野では、初期地球と生命についての複合的な研究を行っています。生命がいつどのようにして地球に誕生し、地球と生命がどのように進化したのか、この疑問の解明は現代科学に残された大きな課題です。我々の分野では最古の生命痕跡の探索、初期生命が生息した地球環境の解明、生命が関与した鉱床資源の形成を地質学的・地球化学的なアプローチで探求すると共に、生命誕生に至る有機物の生成と化学進化について地球化学・有機化学・分子生物学的なアプローチで探求し、生命の起源と地球・生命の初期進化について複合的な研究と研究者の育成を行っています。

1.地球・生命の共進化

太古代と原生代の岩石の中には、初期の地球環境変動や生命に関する記録が残されているものがあります。しかし、そのような岩石は稀であり、記録された情報を読み解くことも容易ではありません。また、鉄鉱層や石油など人類社会には欠かせない資源も、形成された時代の地球環境変動や生命の活動に深く関わっています。私たちの研究グループでは太古代と原生代の岩石、地球最古の縞状鉄鉱層から現代の石油湧出層、海底熱水噴出孔に至るまで、世界中に点在する初期地球でできた岩石の地質調査を行い、それらの試料中の有機物と鉱物をナノスケールで化学分析することにより、初期地球と初期生命の関わりを明らかにする研究を行なっています。

カナダ、ガンフリント層で発見した約19億年前の新しいタイプの微生物の化石
グリーンランド、イスア地域で調査した最古の生命の痕跡を含む約38億年前の岩石

2.生命起源に至る化学進化

RNAを構成するリボースとそれを検出したマーチソン隕石

初期地球に存在した様々な地質環境では、その環境に応じた化学反応が起こり、それらの反応の中には生命に関連する有機物を生成するものがありました。また、隕石や宇宙塵と共に宇宙起源の有機物も地球にたらされていました。我々のグループでは初期地球への小惑星の衝突によって引き起こされる化学反応や初期地球の沿岸域で起こる有機物の濃縮と化学反応などの様々な反応を実験室で模擬して、生命に関連するどのような有機分子が生成し、高分子化するのかを研究しています。
また、隕石中から生命に関連する有機分子を抽出し化学分析を行う研究にも取り組んでいます。これらのアプローチによって、生命誕生に必要な有機分子がどのように生成し、化学進化に使われたのかを解明することに挑んでいます。