学びのロード

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地球惑星物質科学科

地球・惑星の不思議にチャレンジしましょう

地球惑星物質科学という学問

「地球惑星物質科学」とは、地球などの惑星を構成する物質(核,マントル,地殻,生命)の構造,物性,起源,生成過程を明らかにする学問です。これまでの地球惑星物質科学では地球を構成する岩石、鉱物や隕石の研究から、太陽系の形成や地球の内部構造の進化、表層環境の進化が明らかになりつつあります。しかし、原始太陽系からの惑星の誕生過程、地球の初期進化、生命の誕生や地球と生命の相互作用、地球中心部の構造と物性など様々な未知の問題が存在します。地球惑星物質科学科では、これらの問題の解明に物理学・化学・生物学などとの知識を融合発展し、ナノからマクロサイズの広範な階層での研究が進められています。

地球惑星物質科学科の概要

地球惑星物質科学科の概要

地球惑星物質科学科では、地球や宇宙環境で形成された多様な物質の分布、構造、組織、物性、成因を、総合的に研究しています。この研究によって、地球や惑星の起源、そこに生まれた生命との相互作用など、地球と惑星の進化の本質に迫ろうとしています。
現在、グローバルCOEプログラム「変動地球惑星学の統合研究教育拠点」としての活動が進められ、海外機関との交流を深めて国際色豊かな研究・教育を行っています。

第一の研究分野(鉱物学、岩石学・固体地球化学、資源環境地球化学)は、鉱物や岩石、あるいは隕石などの研究から、その生成過程を明らかにしています。さらに、広大な原始太陽系空間での微粒子の形成から、初期地球における無機物・有機物から生命への進化も研究対象にしています。

第二の分野(火山科学、島弧マグマ学)は、地殻やマントルの進化、火山の構造や噴火現象のメカニズム、マグマの発生や性質などを研究しています。この分野では人類史と火山噴火との関連にも焦点を当て、人文科学分野との共同研究も推進しています。

第三の分野(地球惑星物性学)は、高圧下で物質合成や物性測定を行いコアやマントルの実体を明らかにする研究を進め、計算機シミュレーションも活用して地球深部物質の性質と構造を解明しようとしています。

このように本学科は、地球中心部から他惑星空間までの領域をカバーし、地球や惑星を総合的に理解しようとする階層的な分野構成となっています。またこの学科では、宇宙空間を模擬した微小重力での実験をしたり、宇宙ステーションを利用した研究も行っています。

卒業後の進路

卒業後の進路は、大学教員や各種研究機関の研究員を含め、資源・エネルギー関連企業、マテリアル系、各種メーカー、IT産業を始め、多岐にわたっています。

学部卒業生の多くは大学院に進学し、博士号取得者が多いのも特徴です。

科目に見る入学から卒業までの流れ

科目に見る入学から卒業までの流れ

4年間の学部教育の最初の1年半は地学系として川内キャンパスでの教育が行われます。その間、地学の概論や入門基礎だけでなく、広く、物理・化学・生物などの全学教育を学びます。2年生の後期より青葉山キャンパスでの専門科目が加わり、本格的な地学系の教育となります。その際、3つのコースから地球惑星物質科学科などのコースを将来の進路として選択できます。地学系では、どの学科でも卒業研究が重視されるのが特徴です。これにより、積極的に研究を進める姿勢を養います。

自然の謎に近づくために

自然の謎に近づくために

地球を構成するオリビンや輝石などの鉱物は、宇宙からもたらされる隕石中にも普遍的に結晶として含まれています。ところが宇宙空間を模擬した空間で同じものを作ろうとすると、結晶にならずガラスとなって固まってしまうのは大変不思議なことです。このように自然と人間が創り出したりするものには、まだまだ大きなギャップがあるわけです。このギャップを埋めることが自然の謎に近づく第一歩です。大学の4年間のカリキュラムは、そのための総合的な基礎学力をつける学習と、その集大成として4年次に行う卒業研究の組み合わせです。新しい考えにチャレンジするためにも卒業研究を重視するのがこの学科の特徴です。

地球深部への水の移動と濃集

地球深部への水の移動と濃集

私たちの最近の研究によると、プレートの沈み込みによって運ばれた水は、一部が分離して上昇し地震活動や火山活動を引き起こします。しかし、このような水分は一部であり、大部分は高温高圧で安定な含水鉱物に含まれたり、さらに深部のマントル遷移層や下部マントルに水を供給していることが明らかになってきました。興味あることに、地球の深さ410mから660kmに広がるマントル遷移層の高圧鉱物中には2~3%ものH2Oが存在し、地球内部のもっとも大きな貯水池であることが明らかになりました。もし、マントル遷移層が1%の水を含んでいるならば、その水の量は現在の海水の数倍の量に匹敵するほどです。