研究グループ一覧

鉱物学グループ

http://epms.es.tohoku.ac.jp/mineral/
准教授 長瀬 敏郎
(総合学術博物館)
鉱物の微細組織と準安定相の生成過程
准教授 栗林 貴弘 高圧下におけるマントル鉱物の結晶化学

グループ紹介

地球上には約4000種以上の鉱物が存在しており,その中には私たちの日常生活と密接に関かわるものも数多くあります.近年,ハイテク産業に欠かすことの出来ない希元素は,天然の鉱物中に含まれています.また,宝石は,鉱物の代名詞の一つとして知られ,美しさ,希少さ,耐久性を備えたもので,生活に華を与えています.

地球科学では,鉱物は最小構成単位として取り扱われ,様々な鉱物の物理的・化学的な性質を精査することで地球科学的現象や地球史の解明等に役立つ重要な情報が得られます.私たちのグループでは,こうした鉱物そのものに着目した研究と教育を行っています.

教育

鉱物学研究グループのスタッフは,鉱物学,結晶学をベースとした講義・実習を担当しています.

学部では,鉱物や無機物質の記載や評価について必要な知識と技術を身につけながら卒業研究に取り組むことになります.大学院では,修士・博士論文として,さらなる知識の蓄積と技術の修練により,鉱物や無機物質の物理的,化学的な性質をより詳細に究明していきます.

研究

鉱物学研究グループでは,主に以下のような研究テーマに関心を持って研究を進めています.

1)特殊環境下における鉱物の結晶構造の解析

鉱物の結晶構造は,鉱物の持つ様々な物理的な性質(例えば,圧縮率,熱伝導度や電気伝導度など)を決めており,構造中の各原子の電子間相互作用が影響することが知られています.地球深部のような高温高圧条件の環境では,構造の変化が生じ,これに伴ってその性質は変化します.このような特殊な条件の下で結晶構造がどのような変化をしているのかを結晶化学的に明らかにし,電子分布の状態がどのようになっているのかを解明することを目指しています.通常の実験だけでは,精密な解析は困難なため,私たちのグループでは,放射光実験を含めた単結晶X線回折実験を行うことにより,特殊条件下での結晶構造解析に取り組んでいます.

2)高温・高圧下における含水鉱物中の水素の振る舞い

地球深部には,海洋から供給される水(水素)が存在している可能性があります.高温高圧相平衡実験によれば,多くの含水鉱物が地球深部の高温高圧条件の下で安定に存在できることが示されています.このような条件の下で,含水鉱物が安定に存在できる理由の一つとして,結晶構造中の「水素結合」が注目されています.結晶構造中の水素位置を知ることは,「水素結合」の詳細を知る上で最も重要な情報ですが,精査することは大変困難で,解明しなくてはならない問題が多く存在します.私たちのグループでは,この問題に対して,新しい解析法を適用することにより,高温・高圧下における結晶構造中の水素原子の位置を解析しようと試みています.

このテーマと関連して,現在進行中の学術プロジェクト「中性子地球科学」に参加し,「構造中の水素」の解明に取り組んでいます(URL:http://yagi.issp.u-tokyo.ac.jp/shingakujutsu/index.html).

3)鉱物組織

地球の内部で鉱物はどのように形成されるのでしょうか.鉱物はマグマの中や熱水溶液,変成作用などさまざまな環境で鉱物は成長します.そのような中でそれぞれの鉱物がどような履歴を経てきたか,これを解き明かす鍵の一つが,鉱物の内部にある組織です.どんなにきれいな水晶にも,必ず組織が観察されます.しかしながら,組織の解読は簡単ではありません.肉眼でみえるレベルから,電子顕微鏡で見るナノ領域まで,様々なスケールで鉱物組織を観察し,鉱物の辿ってきた歴史を解読します.